女性が成熟した時期を過ぎ、40歳代後半になって卵巣の活動性がしだいに消失していき、ついには月経が永久に停止した状態を閉経(へいけい)といいます。閉経の診断は、更年期(こうねんき)の女性が12カ月以上の月経がなくなって、はじめて確定します。わが国の閉経年齢は平均49.5±3.5歳、中央値は50.5 歳と報告されています。閉経しますと、卵巣機能の衰退、そしてエストロゲン分泌(ぶんぴつ)の低下・消失という内分泌環境の変化が急激におこり、それにより女性の生涯において、もっとも大きな身体的変動がみられます。
閉経の前後で、女性のからだにどのようなことがおこるのか、どのような症状・疾患(しっかん)がおこりやすいかは、下記の図をご覧ください。
女性にとって閉経期は、子育てが一段落して子が親離れし、夫との考え方や感じ方のギャップが気になり、人生に対する孤独感・虚無感(きょむかん)をしばしば味わう時期です。大切な女性にいつまでも活(いき)活(いき)していてほしければ、閉経後の女性のからだの変化を理解し、この時期のストレスを受けとめてあげる寛容(かんよう)さが、男性にも求められています。