自分のリスクを知って産院を選ぼう

Doctor:
牧野真太郎・竹田 省

順天堂大学産婦人科

わが国の分娩(ぶんべん)は、病院(ベッドが20以上ある医療機関)と診療所(小規模なクリニック)で、ほぼ半数ずつ請け負っています。産科医不足や分娩施設の減少の中、医療施設の役割分担や連携が重要になっています。このため、妊娠のリスク評価を行い、ハイリスク妊娠は周産期(しゅうさんき)センターへ分娩を集約化することが大切となります。妊婦さん自身がリスクを判断するには、妊娠リスク自己評価表が便利です。妊娠初期の18項目と、妊娠後半期の11項目の、29項目について点数化し、妊娠リスクを評価します。0~1点は「大きな問題はありません」、2~3点は「周産期センターと連携している施設での妊婦健診・分娩」、4点以上は「ハイリスク妊娠に対応可能な病院での管理」をすすめるものです。

【妊娠リスク自己評価票】

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PDFダウンロード:妊娠リスク自己評価表

婦人科外来クリニック・産婦人科医院・助産所

医療施設には、ベッド数20床(しょう)以上の施設(病院)、19床以下の有床(ゆうしょう)診療所(医院、診療所、クリニック)、外来だけの無床(むしょう)診療所、助産所があります。小規模の施設では医師がひとりのところも多く、急変時には高次施設へ搬送になることもあります。分娩を取り扱っていない施設では、すぐに、もしくは妊娠後半に分娩施設に紹介になります。

総合周産期センター・地域周産期センター

最新の医療設備がありスタッフも豊富なので、ハイリスク妊娠・分娩管理に向いています。内科疾患(しっかん)を持つ妊婦さんも、他科の医師との連携ができます。NICU(新生児集中治療室)が設置され、早産や低出生体重児の管理も可能です。ただし、ハイリスク分娩を優先するため、受け入れ条件があることもあります。