男子のからだ、みんなが気になること

Doctor:
金子由美子

『季刊セクシュアリティ』

十代の男の子が気にするのは、自分のニキビ、体臭(たいしゅう)、そして汗臭(あせくさ)さです。どういうしくみで発生するのか、どのように対処すればいいのか、みてみましょう。

ニキビってなんでできるの?

小学校の高学年の頃から、額の毛孔(けあな)が閉塞(へいそく)して、小さい丘疹(きゅうしん)ができます。これを面(めん)ぼうといいます。面ぼうは炎症がない状態ですが、汗をかいたり触ったりひっかいたりすると、炎症性のざそうになります。これをニキビと呼ぶことが多いのです。繰り返すことでおきる色素沈着(しきそちんちゃく)や、陥没(かんぼつ)したような穴(瘢痕(はんこん)) は、顔面だけでなく、首、胸、背中などにみられることもあります。ニキビにまつわることで悩んでいる人は少なくありません。原因は体質的なことが多く、油分の多い食事やストレスなども重なっていると考えられています。また、シーツや枕カバーなどが不潔だったり、ニキビダニなど、環境によることもあります。入浴や洗髪を心がけて、治らない場合は自己判断で治療薬を使うのではなく、皮膚科での診察を受けたほうがいいでしょう。

体臭が気になる…

人の体臭で気になるのは、まずは「足」のにおいです。手のひらや足の裏は体温を調節するところです。暑いと汗がでて、熱を放出するしくみです。手のひらはハンカチで拭いたり洗ったりしやすいのですが、足はこまめに洗えませんから、においが気になりやすいのです。入浴したとき、石鹸(せっけん)で足の指の間や爪の間をよく洗いましょう。爪が長いと、雑菌(ざっきん)が住み着いてしまうので、短く切ってください。裸足(はだし)で靴(くつ)を履いたり、窮屈な靴を履くと汗をかきやすくなるので、通気性のいい靴下や靴を選ぶのがいいでしょう。

汗臭さの正体は?

次に気になるのは「汗臭さ」です。汗は、エクリン腺(せん)とアポクリン腺という2つの汗腺(かんせん)からでますが、体温が上がり血液中の水分が汗腺に送られるときに、ミネラルもいっしょに送り込まれます。エクリン腺はミネラルを再吸収して、血液に戻します。このときの汗はサラサラしていて、においも強くありません。からだが疲れているときや寝不足のときは、汗のサイクルがうまく機能せずに、ミネラルが再吸収されないため、ベタベタした汗になります。蒸発しにくく、細菌が繁殖しやすく、においも強くなります。普段から冷房などを使い過ぎず、汗をかく習慣をつけることも、汗臭さの予防になります。