母子健康手帳のもらい方

Doctor:
川﨑 薫

京都大学大学院医学研究科婦人科学産科学教室

「母子健康手帳」は、妊娠初期から乳幼児期までの妊婦さんと赤ちゃんの健康状態を記載し、管理するための大切な手帳です。この手帳には、妊婦健康診査(妊婦健診)や乳幼児健康診査(乳幼児健診)などの各種の健康診査や、訪問指導・保健指導のなどの母子保健サービスを受けた際の記録、予防接種の接種状況についての記録がなされます。赤ちゃんの時期だけでなく、小学校に入るまで使い続ける、成長の記録の手帳となります。

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母子健康手帳のもらい方

「妊娠届出書」を書いて、住んでいる地域の保健センター・市区役所・町村役場などでに提出し、母子健康手帳をもらいます。一部の自治体では、医師から受け取る妊娠届が必要な場合もあります。自治体によっては妊婦健康診査の受診券・補助券や補助券の交付、さまざまな母子保健サービスの案内などが行われます。母子健康手帳を受け取る時期が遅れると、妊娠初期の妊婦健康診査の受診券などが使えなくなることもあるので、できるだけ早い時期に母子健康手帳を受け取る方がいいでしょう。先生から「次の健診までにもらっておいてください」と指示されることもあります。

結婚前の人も、育てられるか自信のない人も

まだ結婚してなくて、「旧姓を後で修正するのはいやなので、名字が変わってからにしよう」と考えている人も、早めにもらうことをおすすめします。結婚の予定があるなら、窓口で相談してみましょう。結婚して名字が変わったときに書き直せるように、名字を鉛筆で書くといった対応をしてくれることもあります。転居の予定がある人も、今住んでいる市区町村でもらっておきましょう。手帳の中身は全国共通で、転居しても再発行されず、使い続けることになります。ただし、健診の補助などのサービスは市区町村によって異なります。転居すると、健診の補助券などはもらい直すことになりますので、転入先で相談してください。母子健康手帳をもらう窓口は、住民票のある市区町村だということに注意してください。住民票を以前住んでいた住所のままにしている人や、実家にしている人は、この機会に見直しましょう。また、生活に困っている人や、妊娠したけれど産み育てられるか悩んでいる人こそ、母子手帳を受け取りに行くことは大切です。市区町村の窓口には、経済的支援も含めた情報が集まっているし、関連する部署につないでもらえるからです。出産費の貸付制度(かしつけせいど)などもありますので、ひとりで悩まずに相談に行ってください。