妊娠中にやってはいけないこと

Doctor:
増崎英明

長崎大学大学院医歯薬学総合研究科産婦人科学

妊娠を楽しく安全に過ごすためには、自分自身と胎児(たいじ)の両者について常に考えておくことが大事です。日常生活の中で、妊娠中にやってはいけないこと、注意すべきことには以下のようなものがあります(喫煙の悪影響については、右の記事を参考にしてください)。

妊娠中にやってはいけないこと・気をつけたいこと

飲酒:流産や死産が増えます。妊娠初期の飲酒は奇形(きけい)を生じることがあります。胎児発育不全や中枢(ちゅうすう)神経(しんけい)障害を生じることも。少量でも胎児に影響をおよぼす可能性があるので、妊娠中は禁酒が必要です。

違法薬物:コカイン、マリファナ、アンフェタミンなど。胎児発育不全、早産(そうざん)、母児の合併症(がっぺいしょう)増加などの危険があります。使用してはいけません。

その他の薬剤:妊婦や胎児に影響をおよぼす薬剤があります。薬剤の使用について自己判断せず、かかりつけ医に相談してください。逆に日頃から治療のために服用している薬剤を勝手に中止すると、疾患(しっかん)が悪化することがあります。妊娠している場合や、妊娠しようとしている場合は、必ずかかりつけ医に相談しましょう。

妊娠中の感染症:妊娠中にある種の感染症にかかると、妊娠や胎児に影響をおよぼすことがあります。たとえばトキソプラズマでは、母子感染で先天性トキソプラズマ症をきたす可能性が。ネコの排泄物(はいせつぶつ)処理や土いじりには手袋を着用、肉は加熱する、生野菜は十分に洗浄するなどの予防対策が必要です。リステリアは赤ちゃんに髄膜炎(ずいまくえん)や肺炎を発症させることがあります。生もの、生野菜に気をつけましょう。サイトメガロウイルスは尿やよだれから感染することがあるので、上の子がいる場合や、子どもが多い環境で仕事をしている人は、特に気をつけましょう。

childbirth_14_01

エクササイズ:適正であれば健康増進につながります。妊娠前から慣れている妊婦さんは、適度であれば継続していいでしょう。今から始めようという人は、慎重に検討しましょう。不安であれば、まずかかりつけ医に相談してください。

妊娠・出産は人生において大きな転機であり、心配ごとが増えるかもしれません。神経質になりがちですが、正確な知識を持って行動し、妊娠生活を楽しんでください。