イクメンたるべし!

Doctor:
寺尾泰久

順天堂大学産婦人科

「イクメン(育+men)」とは、「育児」と「メンズ」からの造語です。育児休暇を取得したり、父親同士の会合に参加するなどして、子育てを積極的に楽しもうとする男性のことをいいます。2010年の流行語大賞にも選ばれました。

育児・介護休業法の改正

2010年、男性も子育てしやすい社会の実現に向けて、育児・介護(かいご)休業法が改正されました。改正された育児・介護休業法は、男女ともに仕事と家庭の両立ができる働き方の実現を目指したものです。育児のための両立支援制度として、①育児休業 ②短時間勤務制度 ③所定外労働の制限 ④子の看護休暇 ⑤法定時間外労働の制限 ⑥深夜業の制限 ⑦その他両立支援措置 ⑧転勤の配慮 ⑨不利益取扱いの禁止 が盛り込まれています。2014年4月からは、育児休業給付金が50%から67%に拡大するなど、少しずつではありますが、男性が育児に参加できる環境は整ってきています。育児休業を取ると、休業前の賃金の67%を受け取ることができますので、経済面の心配があった男性も、育休を取りやすくなりました。

イクメンプロジェクト

これとあわせて厚生労働省は、男性の子育て参加や育児休業取得の促進等を目的とした「イクメンプロジェクト」を2010年より始動いたしました。「イクメンプロジェクト」とは、働く男性が、育児をより積極的にすることや、育児休業を取得することができるよう、社会の気運を高めることを目的としたプロジェクトです。育児をすることが、自分自身だけでなく、家族、会社、社会に対してもいい影響をおよぼすというメッセージを、社会に発信しています。

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ぜひともパパとお母さんで、改正された育児・介護休業法をうまく活用して、パパがどのように育児に関わっていけるのか話し合ってください。パパが積極的に育児に参加することで、お母さんとの関係がよくなります。お母さんとの関係がよければ、おのずと子どもも幸せになります。家族みんなを幸せにすることが、イクメンの役割です。一生のうち、子育てに数年どっぷりつかってみるのも、いい骨休めではないでしょうか。

イクメンプロジェクト : http://www.ikumen-project.jp/