どうしたらいい? 妊娠中の仕事

Doctor:
南佐和子

和歌山県立医科大学総合周産期母子医療センター

妊娠やお産は病気ではなく、女性の一生のうちのひとつの大きなイベントであるともいえます。からだや心に与える変化は大きく、日々の生活の中で大きな負担になるでしょう。仕事を持つ妊婦さんの場合、妊娠経過が順調なら基本的には仕事を続けても大丈夫です。しかし、いろいろな配慮が必要です。

妊娠中にしない方がいい仕事はあるの?

妊婦さんの仕事への配慮は「男女雇用機会均等法」「労働基準法」という法律で保証されていて、負担の大きい作業は避けるように指導されています。自分の仕事がこれに当てはまるのであれば、仕事の内容を変更してもらえるはずです。予定日が決まれば早いうちに会社にお知らせしましょう。

【負担の大きい作業】

  • 重量物を取り扱う作業
  • 外勤等連続的歩行を強制される作業
  • 腹部を圧迫するなど不自然な姿勢を強要される作業作業
  • 頻繁に階段の昇降をともなう作業
  • 常時、全身の運動をともなう
  • 全身の振動をともなう作業

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妊娠中、お休みは取れる?

妊婦健診を受けるために仕事を休むことは認められています。また、「母性健康管理指導事項連絡カード」は先生から会社や職場の上司や人事部に、あなたの状態を伝える手紙のようなものです。仕事を休むようにいわれたり、作業を軽くするなどの指示がでると、先生が記載します。会社に渡すと、適切な対応が受けられて便利です。是非、使ってみてください。連絡カードは「妊娠・出産をサポートする 女性にやさしい職場づくりナビ」からダウンロードできます。ほかにもいろいろな情報が掲載されています。また、産休(さんきゅう)(産前産後休業)といって、お産の前には予定日の6週前から、お産の後は6~8週間の休業が認められています。予定日を会社に届けておきましょう。

女性にやさしい職場づくりナビ : http://www.bosei-navi.go.jp/

For Men

女性を支える制度を生きたものにするために

女性が安心して働きながら子どもを産むために、多くの制度が示されています。しかし、職場の上司や同僚などの男性が制度を理解して、温かく受け入れていなければその制度も生きたものにはなりません。私たち女性の労働力も限りある資源のひとつです。お互いの立場を尊重することによって、お産の後も復職できる雰囲気づくりを行ってください。限りある資源を大切に!