お医者さんがすすめる妊活②糖尿病のチェック

Doctor:
平松祐司

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 産科・婦人科学教室

わが国の糖尿病人口は、急激に増加しています。40 歳以上の3 人に1 人が糖尿病または糖尿病予備群であり、糖尿病は国民病といっていい状況になっています。また最近、女性の結婚年齢、出産年齢が高齢化してきているため、妊娠出産を考える年代の糖尿病の頻度(ひんど)が増えてきています。糖尿病を治療しないまま妊娠すると、お母さんにも赤ちゃんにもいろいろな合併症(がっぺいしょう)がおこるため、妊娠する前に糖尿病があるかどうか検査しておきましょう。

糖尿病はお母さんにも赤ちゃんにもリスク

糖尿病があると、お母さんと赤ちゃんに何がおこるのでしょうか? 表にあるように、糖尿病があると多くの合併症がお母さんと赤ちゃんにおこります。この中の奇形は、妊娠してから検査し治療したのでは、赤ちゃんの重要な臓器の元ができる時期を過ぎてしまうため、予防できません。妊娠を考えている人は、妊娠前に糖尿病があるかどうか検査を受け、糖尿病がみつかった場合は治療してから計画妊娠するようにしましょう。

【糖尿病合併妊娠の合併症】

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糖尿病になりやすいのは、どんな人でしょう?家族に糖尿病の人がいる人、肥満、35歳以上の人、4500g以上の巨大児を産んだことのある人といったリスクファクターを持っている場合は、必ず検査を受けておきましょう。不妊治療している人も、不妊治療中に検査を受けておくことが大切です。

妊娠前に糖尿病が発見された場合には、糖尿病内科を受診して血糖コントロールを行い、計画妊娠することが重要です。計画妊娠し、妊娠中もきちんと血糖管理すれば、元気な赤ちゃんを産むことができます。もしすでに糖尿病がわかり治療している人は、妊娠しても赤ちゃんに影響を与えない薬に変更してもらい、計画妊娠することが大切です。