妊娠したいと思ったら

Doctor:
桑原 章

徳島大学産科婦人科

タイミングが合っていても妊娠率は思いのほか低い

妊娠したいと思って避妊せずにセックスをすれば、半年から1年以内に授かることが普通です。タイミングが合っていても、成功率は思いのほか低いようです。20 歳前半で30%、30歳で20%、35歳で10%程度なので、4~6か月はあせることはありません。最初からセックスの回数やタイミングを考え過ぎないことが大切です。月に1~2回と回数が少ないなら、妊娠まで1年以上必要かもしれません。週に2~3回以上なら、タイミングは外していないハズですが、残念ながら回数と妊娠率は正比例しません。禁欲期間が短くても妊娠率が低くなることはないので、2人の生活パターンや個性に合わせて、しばらくは様子を見ましょう。

基礎体温は2カ月は続けてみる

基礎体温(月経周期の正しい数え方・基礎体温のつけ方参照)は、毎日測れなくてもいいので、少なくとも2カ月間は続けてみましょう。ネットやスマホのアプリは縦の変化がよくわからないので、手書きの表のほうがいいでしょう。基礎体温はガタガタしているのが普通です。排卵日に基礎体温が下がるというウワサがありますが、間違いです。排卵日にガクンと基礎体温が下がるグラフをネットでも見かけますが、実際にそんなことはおこりません。つまり、基礎体温をつけても、今日、排卵するかどうかはわからないのです。継続して基礎体温をつけてみて、高温相(こうおんそう)(基礎体温が高くなっている時期)があれば、排卵はしていると考えていいでしょう。忙しくて体温が測れない場合でも、毎月月経が始まった日を4~6カ月記録すれば、「自分の排卵日=タイミングの取り方」がわかってきます。

タイミング法は目安として

月経周期から排卵日を推測する方法を「タイミング法(オギノ法)」といいます。月経が来る14日前の「前後数日」が排卵がおこる、妊娠しやすい期間です。複数回トライしてみてください。32日周期なら、14~20日目の間に3回くらいがベストです。月経18日目に1回だけセックスをするのはベストとはいえません。卵子はいつ排卵するかわからないうえに、排卵した卵子は排卵後10数時間しか受精できません。精子は女性の体内で数日待っていられるので、排卵の数日前から排卵日までの毎日がベストな日です。排卵日検査薬を使う方法もあります。はっきりわかる人には強い味方ですが、排卵していてもうっすらとしかでないこともあります。