キャリア、多様な生き方と結婚、妊娠、出産

Doctor:
種部恭子

女性クリニックWe! TOYAMA

なりたい自分を手に入れる

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女性も夢を持ち、自己実現することができる時代です。何歳の頃に、どんな夢をかなえるか、人生のロードマップを描いたことはありますか? 女性はいつまでも子どもを産めるわけではありません。30歳を過ぎると妊娠しやすさが低下します。37歳を過ぎると、不妊(ふにん)治療を受けても妊娠するのは難しくなってきます。その時期には、仕事を覚え、任されるようになり、私生活との両立に悩む場面も増えてくるのではないでしょうか。

生物学的に妊娠に適した時期は、キャリア形成・維持の期間と一致しています。このことをしっかりと理解し、ライフプランを考えておくことが、幸せな生涯を送るにはとても大切なのです。

産むのが先!(20歳代で産む)と考える人は…

キャリア形成が先送りされるという不利があります。キャリア形成が不十分だと、出産後、キャリアがゼロからやりなおしになることも。仕事と育児を両立できる環境が整っていなければキャリア継続が困難に。

キャリアの確立が先!(30歳代で産む)と考える人は…

初産が30歳を超えます。妊娠しにくいこともあります。状況によっては不妊治療が必要になることも。産みたい人数を産めないかもしれません。

たくさん産みたい人は…

産み始めを早くしましょう。子どもが自立する年齢まで経済的に支えられるように、産み終わりも考えておきましょう。40代になると親の介護(かいご)を抱(かか)える可能性も考慮しておくといいでしょう。

出産後もキャリアの維持・継続ができるか?

子どもを預けて働くことになるでしょうから、保育所などのインフラがポイントになってきます。職場のワークライフバランス推進度も影響してきます。上司・同僚、パートナーの、仕事と育児を両立することへの理解が不可欠です。

産む・産まないに関わらず、現代の女性が気をつけるべきこと

昔と現代で、女性の健康に関して、ある大きな変化がおこっています。それは、「生涯の月経回数」です。昔の女性は、初経が遅く、出産回数も多かったため、生涯の月経回数が50~100回でした。現代の女性は、初経が早くなり、初産までの期間は長くなり、月経回数が生涯で450回に増えました。そのため、子宮(しきゅう)内膜症(ないまくしょう)、乳がん、卵巣がん、子宮体がんのリスクが高くなりました。

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ですから、結婚するかしないか、出産するかしないかに関わらず、昔の女性とは違った健康管理が必要なのです。

  •  月経に対する十分なケアをしましょう。月経で困ったことがあれば、産婦人科に相談を。
  • 子宮内膜症に敏感に。月経痛は子宮内膜症の症状でもあります。月経痛があれば、積極的に低用量ピルを使いましょう。低用量ピルは、子宮内膜症、卵巣がん、子宮体がんのリスクを減少させます。
  • 乳がん検診のチャンスを逃さず活用しましょう。

産婦人科医は、月経のこと、女性の健康のこと、人生のプランのことについて相談ができるプロフェッショナルです。妊娠・出産のときだけでなく、女性特有の健康問題について、遠慮なく相談してみましょう。

For Men

男と女の一生の違い

男性は、生涯に渡って精子をつくり、男性ホルモンをつくることができます。しかし、女性は持って生まれた卵子を少しずつ使い、卵子を使い切る51歳頃に閉経(へいけい)し、女性ホルモンもつくられなくなります。そして、閉経よりずっと前、30歳を過ぎた頃から妊娠する力は低下し始めているのです。子どもを持とうと思うなら、男性も女性といっしょに人生のプランを考えて!